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プロの視点

物流改善目標値の設定と共有化

08/05/19>>有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 平野太三氏

物流改革をスタートするにあたり、最初にすべきことは改善数値目標の設定である。


目標を立てないと実施後にどのくらい効果が出たのかわからないし、何のために物流改革をするのか全社で見えにくい。


今後に行う物流改革は、【難易度の高い物流改革】、【小さな物流改革の積み重ね】、【先行投資が必要な物流改革】であると思われる。

そのために全社をあげてのプロジェクトの方向性をより具体的に明示し、強い意思をもって決めていかなければ、改革は進まない。

誰でも、今の仕事のやり方を変えるのはいやである。

ただ、今のやり方を続けていくのであれば、何も変わらない。

具体的な物流改善目標の例を挙げてみる。

「在庫金額削減」を目標にした場合、その効果として1.保管費の削減、2.在庫金額減少による銀行からの借入れ金利分の削減、3.在庫削減による作業スペース確保による作業効率の向上等が見込める。


物流改善数値目標の設定と共有化

更に、詳細の現状把握を行う。

在庫アイテムの中にも、適正在庫のアイテム、在庫不足のアイテム、過剰在庫のアイテム、デッドストック(今後売ることが難しい)のアイテム、がある。

在庫金額を削減するためには、過剰在庫とデッドストックを削減する必要がある。

ただ、在庫金額が減ったものの、欠品が増加するのは意味が無いため、欠品アイテム数の把握も必要だ。

例えば、「在庫保有日数が3ヶ月を超える在庫が過剰在庫。

3ヶ月以上出荷ゼロのアイテムがデッドストック」という基準を決め、コンピュータで抽出しなければ、過剰在庫アイテムと過剰在庫金額、過剰在庫坪数がどのくらいあるのかみえない。

これをデータ分析後に、具体的に目標設定するのである。

物流改革のスタート テーマ:在庫金額の削減(例)


この様にあらゆる改善効果をまず羅列し、それぞれの改善効果予想金額と効果実現時期、それに必要な他部門も含むプロジェクトメンバーを書き出してみる。

その改善効果予想額が仮に年間500万円になるのであれば、年間500万円を削減するために、年間100万円の「システム投資」や「パートの増員」という選択肢も出てくるため、改善策の幅が大きく広がる。

また、目標値を設定していれば、改善後の効果測定も行い易い。


色々と改善を進めても、改善効果が出たかどうかわからないのであれば、忙しい時間を見つけて物流プロジェクトを行う気になれない。

目標に対してどのぐらい効果が出たのかを社内PRをしながら、全社で物流プロジェクトが推進しやすい土壌を作るのである。

改善効果が明確になれば、プロジェクトメンバーの評価もできる。

物流部門の多くは、怒られることはあっても、誉められることはまず無い。

成果に対する褒賞をきっちり行うことにより、物流メンバーのやる気が向上する。

物流改善は永遠に続くものであるため、褒賞制度も是非お考え頂きたい。


(次号に続く)

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 平野 太三 氏
平野 太三 氏

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学卒業。平成15年に(有)SANTA物流コンサルティングを設立。主な仕事は、物流コンサルティング、執筆、講演、研修。主な書籍「3ヶ月で効果が見え始める物流改善【現状把握編】(プロスパー企画¥1,890)」。物流技術管理士、日本物流学界正会員、物流技術管理士会理事。中小企業大学校講師、ロジスティクスアライアンス研究委員の実績もある。Dr.SANTAの愛称で知られている。

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