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プロの視点

物流システム導入事例 『製造卸A社の物流システム導入事例』(1/2)

08/12/08>>株式会社イー・ロジット チーフコンサルタント角井亮一 監修

製造卸A社を取り巻く事業環境は、小売による卸の集約化や価格競争の
激化を受けて生き残りをかけた競争下にあり、物流機能の強化が急務で
あった。


A社の物流課題は、
・作業を効率化しコストダウンを図ること
・作業精度を向上し誤出荷を撲滅すること
・在庫管理精度を向上し納品率を上げること
であった。


取扱品種は、3万2千種類を超え、物流センターでは、スペース不足の
問題や生産性低下の問題に頭を抱えて手をこまねいている状況であった。


A社物流センターの運用概要


生産性低下原因を調査すると、顧客ごとに細かな要望事項や個別ルール
の存在により、作業が複雑化していた。作業員は顧客業務ごとに固定化
され、センター管理者が作業全般的に熟練化による生産性向上を思考し
ているように見受けられた。


また、商品の積み替えによる重複作業の発生やスペース不足に起因する
作業の停滞なども、生産性低下の原因となっていた。


在庫状況を調査すると差異が多く、現場ではピッキング時に、たびたび
欠品が発生している。


この原因は、検品作業を目視で行っていることであり、作業工数を軽減
するため、トータルピッキングを行う顧客については、精度を過信し、
仕分作業後に検品作業を行っていないため、間違って商品を出荷してい
ることが発覚した。


さらに、入荷及び出荷の時に数量不足などの理由から、伝票訂正作業が
ルーチン化しており、人手によるシステムの数量訂正が頻繁に行われ、
ミスを誘発する状況であった。


問題点をランダムに抽出した後に工程別、課題別などに整理した結果、
生産性低下の要因が、在庫精度低下の要因に影響し、在庫精度低下の
要因が、生産性低下の要因に影響するというマイナスのスパイラルに
陥っていることが判明した。


次に、抽出された問題点をさらに原因を細分化し、その原因に対して
改善の方向性を検討した結果、以下のキーワードが抽出された。


改善の方向性


改善条件としては作業生産性を向上し、かつ作業精度を高めるセンター
運営を構築することであった。生産性向上と精度向上はトレードオフの
性質を持つので、双方を満たすには、大幅な業務変革と現場のムダとり
活動を実施する必要があった。


このトレードオフを成立させる上で、最もネックとなっていた事項は、
今まで作業工数を軽減するため、あえて行っていなかった、仕分作業後
の検品作業を、現在の延べ出荷作業時間よりも時間を短縮して実施する
ことであった。


次回は、改善の具体策を解説する。

株式会社イー・ロジット チーフコンサルタント 角井 亮一 氏
角井 亮一 氏

1968年(昭和43年)10月25日生まれ。上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学MBAをマーケティング専攻にて取得。帰国後、船井総合研究所に入社。その後不動産会社を経て、光輝グループ入社。 光輝グループでは、物流コンサルティング及びアウトソーシング、を主な活動分野し、日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング、東証一部企業)を達成する。 2000年2月14日株式会社イー・ロジット設立、代表取締役に就任する。

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