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プロの視点

改善のキモ「改善はゲーム感覚でやる」

09/03/23>>實藤 政子 氏

最近の労働者心理は、パート・アルバイトより、派遣会社に所属し、雇用先を自由に変えやすいということ、
即ち固定的に一つの就労先に拘束されたくないといった傾向があるようで、首都圏では直接雇用者を
維持することが著しく難しい。

昨今、非正規労働者の問題が取り出されているが、製造業と物流業ではその環境は大きく異なるようである。
特に、都心近郊では、殆どが労働力確保のために激戦区となっており、定着率が平均2ヶ月という
物流センターもある。

私の経験からいうと、作業の難易度にもよるが、最低でも4~5ヶ月程の定着率を維持しなければ、
作業生産性の向上は望みにくいと思われる。

この生産性を左右する定着率を上げるには、そもそも作業者が辞める要因を除去する必要がある。
一体何故、作業者は辞めたくなるのだろう。

多くの場合、大きな原因としては「人間関係のストレス」「作業に対するストレス」の2つが上げられる。
そして、それを大別すると、人間関係についてはセンター長(或いは人事管理責任者)のマネージメント力、
作業に関してはストレスを溜めないための環境(システム・組織・ルール)が大きな要因となっている。

マネージメント力と環境

マネージメントについては、非常に難しい課題があり一言では説明し難いが、
一方の作業のストレスを溜めない環境についてはシステム化(WMS/運用ルール・業務フローなどの標準化)で
確実に解決できる。

即ち「誰でも出来る」システムで、作業も「標準化」して、「迷わない」作業にすることで
ストレスの無い作業とし「作業を気持ち良く進める事が出来る」環境を整え、
モチベーションを下げにくい状態にする。

物流センターでの「改善」は、作業生産性の向上や品質の向上を計ることが目的であるが、
その前提としてこのような作業者のモチベーションを下げない、更には向上させることが必要なのである。

そして、本日本題の「ゲーム感覚」であるが、ストレスを無くすことに加えて、
「楽しみ」を作ることで更に生産性を上げようとする試みが多くのセンターで行われている。

「改善」という言葉には往々にして「頑張らなきゃ」とか「一生懸命」といったイメージを持ちがちである。
それは「改善」が、義務や責任感で実行するべきものという先入観かが多少なりともあるからではと考えられる。

しかし、義務化や責任感は逆に精神的なストレスともなりうるため、必ずしも良い結果を導かない。
逆に「楽しみ」の中から発見する、「楽(ラク)したい」気持ちから発見することの方が
確実に飛躍的に効果が上がる。
事実、楽しみながらの作業は倍以上生産性が上がるという結果を出している物流センターもある。

最近増えているのは、作業生産性の結果は公表せず、本人にだけタイムリーに通知し、
自己改善力を高める方式である。作業端末に、その作業者の今までの生産性の表示と、
本日の生産性の表示を行い、自分で本日の「生産性の状況」を確認できるようにする。

つまり、外部からの評価は行わず自己完結型の「見える化」で、
楽しみなから生産性を上げるというゲームである。
まさに、勤勉な日本人向きのモチベーション向上方法といえる。

また、個人の生産性ではなく、チーム全体での生産性向上率を発表し、
助け合いながら全体の生産性を上げていくという方式で成功している事例もある。

物流センターは個人プレーの場ではなく、様々な作業の連続の上で成り立つため、
正にチーム(組織)力こそ必要な職場なのである。
個人の生産性については、作業プロセスの阻害要因を発見するためのデータに過ぎないと考えることが、
組織として動く物流センターには最適なのかもしれない。

改善の前には「現場力」があり、「現場力」はとりもなおさず人間の潜在能力を如何に引き出すかに
罹っているのでは、と思う今日この頃である。




物流コンサルタント 實藤 政子 氏
實藤 政子 氏

九州大学法学部法律学科卒業。全国の物流センター立ち上げ支援のため、WMSのシステム開発および物流改善を行う。3PL、冷凍倉庫業者、食品製造・卸売業、アパレル業者など、約120センターのコンサルティング・センター構築の実績を持つ。(社)日本ロジスティクスシステム協会認定「ロジスティクス経営士」。
著書に「WMS入門」日本工業出版「WMS導入と運用のための99の極意」秀和システムなど、その他SCM関連寄稿多数。

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