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プロの視点

本日の改善のキモ「改善の評価は平等に」

09/04/20>>實藤 政子 氏

物流センターでの改善は、主に作業生産性の向上や品質の向上が目的であるが、
その目的を達成するには、作業者のモチベーションの向上というものが大きな効力を発揮する。

このモチベーションの向上は大きく2つの意味を持つ。
1つは「やる気を増進させること」そして、もう1つは、「やる気を失わせないこと」である。
本日主題の「評価は平等に」というポイントは、この2つに大きく影響を与える。

改善の評価は平等に

物流業務では、日々変化する条件・状況の変化に「柔軟に」対応しながら
改善を行う必要があるという点で非常に複雑で効果の減衰率も極めて高いため、
製造業など他の業種に比して改善の効果が目に見えて出ないことが多い。
つまり、改善成果の見えづらい業種なのである。


更に、このような複雑な前提条件の下で、改善の目的は「コスト削減」「品質・サービスレベル向上」、
改善の手段は「業務の標準化」「プロセス改善」「在庫改善」などと、多岐にわたり、
進め方も実に様々なパターンが想定される。

このような極めて複雑系の業務において、一体、個人に対する平等な評価など可能なのであろうか。
改善の成果を褒め称えているうちに、運が悪ければ効果が見えなくなってしまうこともあるのである。


また、取引先の条件の変化や、センターの構造、システムの違いなどの環境・状況の条件・変化は
個人の責任で発生するものでは無く、或る意味「運」としかいいようが無いものである。

そのような状況下で、改善の結果・効果で個人の評価、或いは待遇までもが決定されるという
ことになってしまうと、たちまち不平等感で「やる気」を無くてしまい、「改善」どころではなくなってしまう。

最近、5Sを徹底する企業が増えてきた。
皆さんも良くご存知の「整理・整頓・清掃・清潔・躾(習慣)」である。
実は、この5Sで社内評価(部署・部門評価)を行っている企業も多い。

前述の「結果」による評価だけではなく、5Sの場合はそれ以前の「プロセス」の段階での評価も含まれる。
労働集約現場には、「結果」より「プロセス」を重視することの方が適しているのかもしれない。

但し、この「プロセス」も環境や条件の異なる中で評価されれば、「結果」の評価と同様に、
不平等感でモチベーションを落とすこともある。

以上のようなことから、その評価対象がプロセスであっても、結果であっても、
評価方法を平等にしなければ、モチベーションを上げるどころか、
やる気を無くさせる要因になってしまうのである。

平等な基準を作るには、対象者が置かれている環境・条件から平等に評価出来ない阻害要因を洗い出し、
まずその阻害要因を無くす(解決する)という作業を行う。
阻害要因が無くせないものであれば、その分を勘案しての評価とする。

評価方法としては、改善や5Sの内容にもよるが、物流作業が対象の場合は、
評価から直接に待遇を決定するということは馴染まないケースが多い。

単純な「表彰」などだけであれば、上記のようなことは勘案しなくても良いかもしれないが、
表彰だけであれば大きなモチベーション向上に結びつきにくいとも言える。
その場合、表彰と待遇の中間評価(一時的なご褒美程度)が望ましいように思える。

また、報奨の対象も、個人というよりは、前回に記述させて頂いたような、
グループ評価の方がより大きな効果を発揮することも多い。


ちなみに、物流という分野は「サービス業」である。サービス業であるが故に
取引先の条件・状況に応じて変化が生じることは前述の通りであるが、
これらの変化は物流部とは別の部署が決定した事柄に従う。

そして、その変化(例えば企業戦略の変更)が物流(ロジスティクス)に与える影響を勘案せず、
物流部門に通知しなかったがために、物流部門やアウトソーシング先、
更には取引先も突然の変化に襲われることがしばしばある。

この他部署の決定事項を早めに情報として伝えられていれば、突然の変化ではなく、
計画された変化になりうるのである。


ITの進化で社内・社外の「情報の見える化」は進んでいるが、まだまだ「必要な情報」が充分に
「見える化」されていないのが現実である。




物流コンサルタント 實藤 政子 氏
實藤 政子 氏

九州大学法学部法律学科卒業。全国の物流センター立ち上げ支援のため、WMSのシステム開発および物流改善を行う。3PL、冷凍倉庫業者、食品製造・卸売業、アパレル業者など、約120センターのコンサルティング・センター構築の実績を持つ。(社)日本ロジスティクスシステム協会認定「ロジスティクス経営士」。
著書に「WMS入門」日本工業出版「WMS導入と運用のための99の極意」秀和システムなど、その他SCM関連寄稿多数。

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