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プロの視点

本日の改善のキモ「改善の達成度測定は前回比較で」

09/05/25>>實藤 政子 氏

ロジスティクスの世界でも改善は定着化し、既に多くの企業において様々な改善の工夫がなされ、
継続化されているようである。

事実、現在、私がお手伝いをさせて頂いている殆どのクライアントでは自発的な改善で
目を見張る日進月歩を遂げている。


そういった中でよく聞かれることは「改善に終わりは無いのですか?」
「もう、これ以上何をやれば(改善すれば)よいのですか?」といった質問である。

ロジスティクスでは企業間取引・社内事情・法制度など、おおよそ世の中に存在する環境・状況変化など
あらゆる条件の複合要因から影響を受ける分野である。

そのため、一度行った改善も、あっという間に意味のないものになってしまったり、
全く別の改善方法を取らなくてはならなくなりという非常に難しいハンドリングを要求される。

その意味では、物流における改善は、生産管理における改善よりはるかに難易度が高いのである。


一方、評価制度においては、一般的にマイナス評価が適用され、基本的にミスは許されず、
失敗すれば罰点、間違わなくて当然という方式が取られるため、
非常にモチベーションの上がりにくい分野である。
その意味で、評価システムには細心の注意が必要であることは前回書かせて頂いた。

改善の評価は平等に

今回の「改善の達成度測定」の件に関しても、同様の理由から非常に難しい問題を抱えている。

達成度を測定することは、そもそも「変化対応型」のロジスティクスでは
一律の目標を決めてやるというのは至難の業である。

どんな目標値が正しいのか、どのようにしてその正しさを見いだすのか、個々の条件、
環境の変化に応じて適切な正解を見いだすことは難しい。


そこで、改善の達成度は一律の目標値を定めるのではなく、前回と比較して「○○%向上」といった
パフォーマンスの向上率で定めるのが最適ではないかと考える。

そして、向上率を測定するにしても当然、環境変化・条件変化がないことなどが前提となる。

また、他部署・他事業部・他センターなどで達成度を比較する場合は必ず条件を一律にすることを
忘れてはいけない。


この達成率はモチベーション向上の道具であるが、大切なことは、数値が下がった時に何をやるか、である。


学校であれば成績が下がれば教師や親からの指導の対象であるが、ロジスティクスの世界では、
数値の下降は「問題発生・環境変化」による「改善方法の変更ポイント」に来たことのアラームである。

その局面では、早急に課題解決に向けたアクションが必要で、
PDCAであればCAの局面なのである。

改善の評価は平等に

冒頭に戻るが、私のクライアントのセンターで「改善の余地が無い」程になっているというのは、
実は、昨今の不況下、企業経営は守りの局面に入っており、新規事業や海外進出、
設備投資などを抑制し、マーケティング的には下降局面にあるからと考えられる。


つまり、改善の効果をリデュースするような環境変化が起こっていないのである。
経営が積極的な局面では改善は進まず、逆に非効率性の要因を生み出し、物流コストは増加する。

経営が消極的な局面では、改善が進みコスト削減の効果も生んでいるいというのは、
なんとも皮肉なものである。


経済状態が上向きになればまた、クライアント先でも改善会議の連続になるのであろう。

「改善が必要だ」と叫ぶことが出来るというのは、企業としては、嬉しい悲鳴なのかもしれない。




物流コンサルタント 實藤 政子 氏
實藤 政子 氏

九州大学法学部法律学科卒業。全国の物流センター立ち上げ支援のため、WMSのシステム開発および物流改善を行う。3PL、冷凍倉庫業者、食品製造・卸売業、アパレル業者など、約120センターのコンサルティング・センター構築の実績を持つ。(社)日本ロジスティクスシステム協会認定「ロジスティクス経営士」。
著書に「WMS入門」日本工業出版「WMS導入と運用のための99の極意」秀和システムなど、その他SCM関連寄稿多数。

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