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プロの視点

在庫管理で失敗しないために(3)

09/08/24>>徳 伸一

なぜ在庫が増えるのでしょうか。

前回述べたように、在庫は「必要な在庫」と「不必要な在庫」があります。ここがポイントです。
在庫に携わる人達は、様々な状況を利用して、「不必要な在庫」を「必要な在庫」のように説明します。
この考えや行動が在庫を増大させてしまうのです。
企業の代表的な組織を例に、在庫が増える理由をみてみましょう。

(1)販売部門
・欠品による販売ロスを無くしたい(突然の注文にも対応)
・発注するための販売予測は実力以上の数字を計上する

(2)調達部門
・販売計画にプラスして調達する(営業の要求に対応)
・原材料や部品が不足し生産できなくなるのを回避する

(3)生産部門
・段取り替えを頻繁に行うと生産コストが増大する
・工程間の生産能力(計画)にアンバラスがあり、仕掛在庫が増大する

上記の在庫が増える理由は、それぞれもっともらしい理由です。
しかし、これらの理由を深掘りすると、別の理由が見えてきます。
在庫が増える「真の理由」は、次のようになります。

(1)販売部門
・営業部門の評価は売上と利益(売上-仕入)なのでどれだけ在庫になってもマイナス評価はされない
・在庫は売上するための手段であるから、ひとつの欠品も許されないという考え

(2)調達部門
・調達部門の成果は調達コストと欠品率で評価される
・一品当たりの仕入単価を下げるために発注ロットが大きくなるのは仕方がないという考え

(3)生産部門
・生産部門の成果は生産コストで評価される
・生産能力のアンバラスを修正するには設備投資が必要(生産コストを押し上げる要因になるので手を打たない)

このように、在庫が増える真の理由が各部門において明らかになってきました。
実はこれらの理由は、すべてひとつの原因から発生していると考えられます。
それは「部門(部分)最適」です(図)。

ここ数年、サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)の考えが広がっていますが、
いまだに全体最適より部分最適の考えが企業内部において根強く残っており、
在庫をコントロールできない中小企業が多く存在するのです。

各部門における在庫が増える理由

ユーザックシステム株式会社 徳 伸一
徳 伸一 氏

昭和36年鹿児島県大島郡生まれ。中央大学国際経済学部卒。ユーザックシステム株式会社にて、物流システムの担当営業として従事。物流センターへの業務改善提案を得意とし、数多くのコンサルティング、システム提案・構築に携わる。業務改善コンセプトは、『出荷現場とシステムの調和』。

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