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プロの視点

インターネット通販における物流事情とトラブル対策(後編)

09/09/07>>角井亮一 監修

今回は前回掲載させて頂きました「インターネット通販における物流事情とトラブル対策(前編)」に
引き続き、後編をお届けいたします。


さて、倉庫現場での入出荷作業とは(1)商品入庫検品、(2)棚入れ、(3)ピッキング・梱包、
(4)発送--といたって単純ですが、取り扱う商品アイテム数が数百種、数千種となると、
わずかなミスや確認の怠りが誤入荷、誤出荷の原因となります。

ましてや商品の入荷・出荷が日々スピーディに行なわれている中では、
その発見も事後となってしまいがちです。
期末の棚卸にて在庫差異が発覚し、その原因が入庫時のものか出庫時のものか、
追及を行なっても突き止められないこともしばしばです。

こうした誤入荷、誤出荷の原因を挙げてみましょう。


まずは商品や商品番号の誤認です。

類似商品や類似商品番号による商品特定の間違い、
特に入庫時に商品を誤認してしまうと販売数や商品仕入数量に狂いが生じてしまいます。
このため、このような物流を主として取り扱う倉庫会社では
入庫規則は極めて厳重なものとなっています。

入庫時に、類似商品や類似商品番号の商品と誤認すると影響が大きい。

誤認を減らすため、現場によってはバーコードやJANコード、最近ではICチップを使用した管理手法も
採用されています。
しかし、多品種小ロットの業務下では特定のメーカーから商品を仕入れることは稀で、
バーコードやJANコードすら付記されていない商品も多く含まれます。

時には、販売上の商品番号すら無く商品の外見のみで判断しなければならない場合もあり、
その際の現場オペレーションは必然的にその現場専属スタッフのみが行える職人芸となってしまいます。
この場合、新たな作業増員が導入されると飛躍して誤認率は高まります。


誤入荷、誤出荷が発生する原因として次に挙げられるのが、入力・記録の漏れやミスです。

BtoCの販売を行なう場合、在庫確保の遅れや顧客クレームなどに対するイレギュラー応対が必要となります。
現場にて先入れ先出し、出荷保留が頻繁に行われるようになると、
入力・記録の漏れや重複が起こりやすくなります。
この場合、実際の入出庫数には差異は生じませんが、在庫管理システムなどの机上在庫数には
過不足が発生し、混乱を招く原因となりかねません。

入力・記録の漏れや重複も、混乱を招く原因のひとつ。

さらに突き詰めて考えてみますと、各仕入先から商品を送った時点で、
商品番号の記載間違いも考えられます。
上記にて、商品誤認を起こさないために商品番号のみで管理する手法をとりますと、
商品番号そのものに誤りがあり、なおかつその商品が似通っていた場合には
避けようのない商品誤認へと繋がります。

また、この商品がお客様の元へ届き、商品タグをはずした上で「商品が違う」との理由で返品となれば、
現場でも誤出荷と判断せざるを得なくなります。
この場合、机上も実数量も在庫差異が発生し、その追求もできないため、入庫検品ミスと捕らえるしかなくなります。
このようなケースは確かに稀ではありますが、仕入先での商品誤認や誤りが起こり得ることも事実です。

間違いのないタイピングを心がけても、誤字脱字が生じてしまうように
人間が行なうことが100%完璧であるということはありません。
ましてや現行、価格競争が重要な位置づけにある物流現場では必要作業費用を少しでも削減する為に
パート・アルバイトの比率が非常に高くなっております故に、
その現場管理者が的確な業務フローを構築できなければ、物流の品質は低下せざるを得なくなります。


人的要因によるミスは物流を問わず全てにおいて考えられますが、
多品種小ロット条件下での通販物流ではこうしたミスが頻繁に起こり得る要素を秘めております。

誤入荷・誤出荷は販売後の商品欠品につながり、その商品を購入したエンドユーザーへの納期遅延や
キャンセル原因となります。
また、ここでのトラブルに対する対処が遅れると、その店舗自体の信頼度に深刻な亀裂を生じさせる
原因となりかねません。

誤入荷・誤出荷から招くものは

インターネット通販にて多品種小ロットの販売体系が今後増加していく事と予想されます。
しかし、100%がありえない物流業界では、問題が起こることを前提にその対策を練らなければなりません。
販売企画・計画打ち合わせはもちろんの事、
物流業務に対する打ち合わせも十分過ぎるほどに行う必要があると考えております。

エンドユーザーへの信用確保をはじめ、店舗自体の円滑化を図るためには物流業務は
軽視できない事柄として慎重に受け止め、その解決・対策を行なうべきではないでしょうか。

株式会社イー・ロジット チーフコンサルタント 角井 亮一 氏
角井 亮一 氏

1968年(昭和43年)10月25日生まれ。上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学MBAをマーケティング専攻にて取得。帰国後、船井総合研究所に入社。その後不動産会社を経て、光輝グループ入社。 光輝グループでは、物流コンサルティング及びアウトソーシング、を主な活動分野し、日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング、東証一部企業)を達成する。 2000年2月14日株式会社イー・ロジット設立、代表取締役に就任する。

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