在庫管理で失敗しないために(5)
1.在庫管理をすることの意味
在庫管理をするということは、単に保管や現品の管理を行い日々の商いを行うということに止まらず、
その企業の経営の効率化と企業価値を高める活動そのものであり、
在庫・物流管理は製造や営業活動と同じく、企業活動にとって重要な役割を担っていることを
まずご理解ください。
たとえば、経営効率化の指標の一つであるROA(総資産利益率)は、
ROA=経常利益÷総資産(%)で表されます。
つまり企業のもっている資産を活用し、どれくらい効率よく利益を生み出しているかを表しています。
この比率が高い程、自社の資産を効率的に利用し、高い利益生み出していると言えます。
在庫管理を行い様々な在庫施策をおこない、利益を拡大し資産を低減することで、
企業価値の向上に大きく貢献することが可能となるのです。
図表1 ROAに在庫管理が与える影響
在庫管理は、企業価値を高める=全社的な管理業務です。
その改善には従来の商品管理課などの一部門の活動では限界があり、
全社としての活動が必要になってきます。
2.在庫管理の定義
在庫管理の大きな目的は、出荷動向に応じて最適な在庫数を確保し、
不必要な在庫をできるだけなくすことです。そのためには、誰がどうやって管理すればよいのでしょうか。
もう一度、在庫が増える仕組みを図にしました(図表2)。
矢印の視点が在庫を増やす情報を発信する部門です。
図表2 在庫が増える仕組み(流れ)
良く見かけるのは、物流部門だけで在庫管理を行おうとしている企業です。
また、在庫が増えるのは物流部門の責任であるとされている企業も少なくありません。
他の3部門は今までのように、自部門最適を目指しています。
そのような状態では、在庫は把握できても、在庫は「管理」できません。
つまり、在庫管理とは、「全体最適のため、全関係部門が協力し合っておこなう」ということなのです。
決して物流部門だけがおこなうのではありません。
昭和36年鹿児島県大島郡生まれ。中央大学国際経済学部卒。ユーザックシステム株式会社にて、物流システムの担当営業として従事。物流センターへの業務改善提案を得意とし、数多くのコンサルティング、システム提案・構築に携わる。業務改善コンセプトは、『出荷現場とシステムの調和』。















