物流拠点統合のメリット・デメリット(後編)
統合にはメリットばかりでなく、デメリットも当然あります。
このデメリットに対し、どのように対応していくかを予め検討しておく必要があります。
<デメリット1> 一部の顧客に対しリードタイムが延びる
大幅な拠点の廃止は、一部の顧客に対し、リードタイムが延びる可能性があります。
現在と変わらない物流サービスを提供するには、リードタイムも十分に検討し、
リードタイムが延びても大丈夫な商品、顧客を洗い出す必要があります。
<デメリット2> 社内メンバーへの不安を募らせる
大きな業務改革が行われると、新しい業務内容に付いていけないメンバーや
人員削減による会社に対する不安が大きくなります。
このようなメンバーを出さない為にも、統廃合を実施前に、
目的や理由を明確に社員に対し説明する必要があります。
また、出来れば、雇用の維持を伝えてください。
もちろん、デメリットはこれだけではありません。
大切な事は、デメリットを十分に洗い出し、それらをどのように解決していくのかを、
一つずつ丁寧に考えていく事です。
物流拠点を統合する事に決まった場合、検討するべき大きなテーマがいくつも出てきます。
<検討ポイント1> どこに移設、統合するか
ただ単純に大きな倉庫にまとめればいいというわけではありません。
サプライヤーからの納入期間や顧客へのリードタイムも考慮しなければいけません。
物流機能は、いかにモノをスムーズに顧客へ届けるかが、重要です。
特にリードタイムが延びる可能性がある場合は、短縮する為の対策を
いくつか立てておく必要があります。
<検討ポイント2> 庫内作業のマニュアル化、作業の見える化
倉庫が変われば、作業内容も変わります。一度、各拠点における業務フローを作成し、
どのように作業を変えていけばいいのかを予め検討する必要があります。
物流現場では、作業マニュアルが整備されてないケースが多々あります。
場所が変わるわけですから、作業するアルバイトやパートのメンバーも当然変わってきます。
移転後の混乱を最小限にする為にも、作業フローを見直し、
作業の見える化を進めておく事が必要です。
<検討ポイント3> ITシステムによる生産性の管理、利便性の向上
いまだに手書きの伝票を回している倉庫が少なくありません。
最近はWMSという倉庫管理システムも価格が下がってきており、
さらに導入期間も以前より短く導入が可能です。
現場のIT化を進め、現場にどれだけの商品があり、
どれだけの量が入荷・出荷し、どこに向けて発送するのかを、
リアルタイムに掴む事が出来れば、生産性や利便性は大きく向上します。
<検討ポイント4> 設備の移設、新設
まとまった在庫をどう保管するかも検討する必要があります。
現在は棚にも様々な種類があり、商品によってきめ細かな対応ができます。
また、商品を自動で搬送するコンベヤシステムなども、広い倉庫で作業するには必須となります。
<検討ポイント5> 庫内作業のアウトソーシング
どんな商品にも、物流波動はつきものです。この波動に対応するに当たり、
パート・アルバイトを採用するケースが殆どですが、
労務問題などを回避する為、物流作業をアウトソースするケースも増えています。
物流アウトソーシング会社も様々な現場を経験しており、
その生産性は、次第に向上してきています。コスト高である社員や、
品質の低いパート・アルバイトでの作業は、どうしても効率的とはいえません。
物流拠点の統合は、企業にとって大きなイベントである事は、間違いありません。
統合してからの混乱を最小限にする為にも、出来る限りのシミュレーションを行い、
イレギュラーにスマートに対応できる体制を作ってから、統合のプロジェクトを進めましょう。

1968年(昭和43年)10月25日生まれ。上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学MBAをマーケティング専攻にて取得。帰国後、船井総合研究所に入社。その後不動産会社を経て、光輝グループ入社。 光輝グループでは、物流コンサルティング及びアウトソーシング、を主な活動分野し、日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング、東証一部企業)を達成する。 2000年2月14日株式会社イー・ロジット設立、代表取締役に就任する。















