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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(1)「アメリカ経済の好調要因」

12/09/03>>ジェイ 広山 氏

はじめまして、アメリカの流通業界の調査研究を行っているジェイ広山です。
今月より主にアメリカの流通業界の現況やトピックを執筆させていただくことになりましたので、
よろしくお願いいたします。

まず、アメリカの社会及び小売業界の概況です。
ご承知のとおり、ギリシャの総選挙は緊縮策推進派が辛うじて勝ち、EU脱退という懸念は薄らぎましたが、
既にスペインに飛び火しており、ヨーロッパを覆う信用不安は、解決の目途が立つどころか
一層深刻化しており、万が一の時にはリーマンショックを上回る世界的な金融恐慌に陥るとみられています。

また、米国内においても雇用や住宅市場の回復が遅れており、アメリカ国民は苛立ちを募らせていまして、
景気の先行きを下押ししかねないとの懸念がでています。
ただ、景気上向きへの推進力は乏しいものの緩やかな回復は維持されている他、個人消費も
堅調に推移していまして、悲観論と楽観論が交錯しているような状況と言えます。

こうした中、サブプライム問題及びリーマンショックによって大きな痛手を受けた米国小売業は
2010年には前年比5.9%増とV字回復を果たし、2011年にも8.1%増と伸びが加速するなど、

好況期を彷彿とさせるような伸びを記録しています。
また、今年の上半期の速報値は僅かながらも減速したものの、前年同期比で6.1%増に達しています。

現在の厳しい経済環境を考えますと不可解とも言えるのですが、こうした好調の理由には
1つの内部要因と2つの外部要因が挙げられます。

内部要因は労働生産性の伸びです。
米国の小売業は製造業に匹敵する高い生産性の伸びを示しているのです(詳しくは後日)。

外部要因の一つは株価の上昇です。
一般的に米国の家庭では資産を三分割しています。不動産、現金・預貯金、そして株です。
そのため、乱高下しつつも上昇の続いている株価が小売業の伸びに大きく寄与していると考えられます。

もう一つが人口、世帯数が増え続けているとともに、1世帯当りの平均所得が上がり続けていることです。
少し詳しく記しますと、1世帯当たりの平均所得はロングスパンでみますと右肩上がりで上昇を続けており、
1993年の約41,400ドルから2010年には約67,500ドルと26,100ドル、63.0%もの増収となっています。
これを世帯総収入でみますと、1993年の約4兆ドルから2010年には約8兆ドルと4兆ドル伸びていまして、
少々乱暴ですが、実質消費を4割とみると小売業界に市場規模は1兆6000億ドルも膨らんだと
見ることができます。
実際に、小売業総売上高は93年比で2兆ドル近い伸びとなっているのです。

では、日本はどうでしょう?次号では日米の小売業界の連動について記します。


米国の小売業総売上高伸び率推移、1世帯当たりの平均所得推移 グラフ



オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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