物流コストを削減したい企業様のためのお役立ちサイト 物流コスト削減.COM

  • HOME
  • 初めてご利用の方へ
  • メールレター配信申込
  • 記事投稿
  • サイトマップ
サイト内検索

お問い合わせフォームはコチラ

プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(3)「アメリカと日本の『貧困率』を考える」

12/11/05>>ジェイ 広山 氏

前号では1世帯当たりの平均所得がアメリカでは増え続けている一方、日本は減り続けており、
小売業界の市場が縮小していることを記しましたが、日本についてもう少し踏み込んでみたいと思います。


日本の世帯収入の構成比を2000年と2010年を比較しますと、低所得層が急増する一方、中間所得層、
高所得層が急減
しているのです。
まず、年収200万円以下の厳しい生活を強いられている世帯数は953万世帯にものぼっており、構成比を
見てみますと、2000年の16.2%から2010年には19.6%と3.4ポイント、実数で216万世帯も増えており、
約5世帯に1世帯が200万円以下という状況に陥っています。
また、倹約を求められる200万円~400万円の世帯数も1,056万世帯(23.2%)から1,308万世帯(26.9%)と
252万世帯、3.7ポイントも増えており、400万円以下の総世帯数は46.5%と、約2世帯に1世帯が400万円以下
という状況に陥っているのです。
加えて、600万円未満の世帯数は2000年から533万世帯も増加し3,230万世帯(66.4%)となり、実に
総世帯数の約3分2にも達しています。

一方、中間所得層と言える600万円以上の世帯数は224万世帯減少しています。
富裕層である1,000万円以上の世帯数も155万世帯減、2,000万円以上も33万世帯減っており、
1,000万円以上の世帯数の構成比は11.6%で、2,000万円以上となると僅か1.0%にしか過ぎません。

これらは経済環境の改善が進まず景気が一向に上向かないことに加え、規制緩和によるパートや
派遣従業員の急増
、そして給与が減少を続けていることが要因として挙げられますが、ダイソーに
代表される100円均一ストアやブックオフ、トレジャーファクトリーといった中古品店が急成長している
背景と言え
今後ますます低価格訴求ニーズが高まると考えざるを得ません。
一方、日本のラグジュアリーマーケットの市場は縮小し続けているのです。


そのため、貧困状況は貧困大国とも言われるアメリカを日本は既に上回っています。
アメリカは2010年に貧困率が過去最悪となる15.1%に達し、人数にして4,618万人が貧困に喘いでいる
状況にあります。
しかし、厚生労働省が3年に1度公表している日本の貧困率は直近の2009年時点で、6.3世帯に1世帯に当る
16.0%
にも達しています。また、日本の片親世帯の貧困率は50.8%にも及んでいます。


生活保護者数が210万人を超え、生活保護世帯数約150万世帯、生活保護支給総額は3兆7,000億円を超え
過去最高に達したという報道がありましたが、国民生活は年々厳しさを増しているのです。

尚、厚生労働省では相対的貧困率という算出方法を用いていまして、アメリカとは算出方法が
異なるのですが、日本は等価可処分所得の中央値である438万円の半分以下、1人当りでは112万円以下と
していまして、アメリカでは単身世帯の場合は約1万1千ドルとしていますので、ほぼ同水準と見てよいと
思います。

日頃の生活では感じることのないデータかと思いますが、日本においてもアメリカのような格差社会が
現実化している
と認識しておかなければいけないと思います。




2000年及び2010年の日本の世帯収入別構成比




日米の貧困率推移





オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

ページトップへ
image