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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(8)「不可欠になっていくマルチチャネル戦略」

13/04/01>>ジェイ 広山 氏

前号で記したマルチチャネル(オムニチャネル)戦略の具体例を挙げますと、
ラグジュアリーデパートのノードストロームでは、販売員がストア内の在庫はもとより、
物流センターや各店の在庫状況を把握できるようになっています。
つまり、在庫情報が一元化されていて、来店されたお客様の希望する商品の在庫が当該ストアに無くても、
物流センターや各店の在庫をその場で確認して、お支払いいただければ、
直ぐに配送手続きが取れるようになっています。
(前回記事→「出張先で購入した商品を返品したくなったら?」)

また、オンラインで商品検索をし、店頭で購入したい時には、希望する商品のサイズや色などを指定し、
自分の家の郵便番号を入力すると、近隣のどの店に在庫があるかを直ぐに確認できます。
つまり、在庫情報を顧客にも開示しているのです。
前号で記したように、オンラインで購入し家に届いた商品を店に返品することも当然できます。
加えて、同社ではオンライン販売の商品は返品を含め全て無料化を実現しました。

こうしたマルチチャネル戦略を進めた結果、小売各社もオンライン売上高を急伸させているのです。
アパレル/アクセサリー主要10社のオンライン販売総売上高は、
2004年の約14億ドルから2011年には4.5倍の約63億ドルと急伸し、
総売上高に占める構成比は3.4%から13.0%に達しています。
また、デパートメントストア主要6社も約20億ドルから約73億ドルと急伸し、
構成比は3.5%から9.0%となりました。

翻って、日本の小売各社が行っているオンライン販売について考えてみますと、
ストア、カタログ、オンラインの各部門、各チャネルが競い合うように売上増に懸命となっており、
残念ながら連携していません。

社内で競い合うことは悪いことではないのですが、各部門、各チャネルが
独自の管理・運営体制を持つということは在庫、経費等々の負担が増すばかりではないでしょうか。

また、日本の小売業界においても「顧客視点」という言葉が頻繁に用いられていますが、
部門、チャネル毎のアプローチは販売する側の論理であり、
本来の顧客視点を考えるならば連携したアプローチであるべきではないでしょうか。
加えて、近年急速に普及しているショールーミング対策を進める上でも連携は不可欠です。
ご承知の方も多いと思いますが、ショールーミングとは、消費者がストアを訪れ、商品を十分に見極めた上で、
その商品の価格を価格コムなどの価格比較サイトにデータを送信し、
近隣のストア及びオンラインでの価格を比べ、最も安いストアもしくはオンラインサイトで購入するという
消費者行動
のことです。
価格比較サイトは低価格競争に拍車をかけていますが、一部の企業ではオンライン対策として、
ストアとオンラインの価格に差異が生じているケースさえ見受けられます。
これでは消費者の価格不審感は増すばかりです。
ストアを展開している企業にとってこのショールミーングは頭を抱える難題ではあるのですが、
その広がりを止めることはできないでしょう。

ウォルマートのCEOであるマイク・デューク氏は今後の小売業界は
Era of Price Transparency(価格透明性の時代)」を迎えると表明しています。









出所:Internet Retailer, Office J.K.
※アパレル/アクセサリーは、リミテッドブランド、ギャップ、アバクロンビー&フィッチ、アーバンアウトフィッター、
  フットロッカー、J.クルー、アメリカンイーグル、チコ、アン、チルドレンプレイスの10社。
※デパートメントストアは、メイシーズ、JCペニー、コールズ、ノードストローム、ニーマンマーカス、サックスの6社





オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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