物流コストを削減したい企業様のためのお役立ちサイト 物流コスト削減.COM

  • HOME
  • 初めてご利用の方へ
  • メールレター配信申込
  • 記事投稿
  • サイトマップ
サイト内検索

お問い合わせフォームはコチラ

プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(12)「オンライン販売急伸に伴うもう一つの大きな課題」

13/08/05>>ジェイ 広山 氏

第9回目の本稿(2012年度 小売業売上高概況)で、2012年の小売業総売上高は底堅ったものの、
政府支出の強制削減が3月1日に発効したことから景気の先行きは混沌としている旨を記しましたが、
2013年第1四半期(1~3月)の売上高が発表され、総小売業売上高は前年同期比2.6%増、
自動車ディーラー/関連用品店、ガソリンスタンド及び家庭用燃料ディーラーを除く売上高が2.2%増と
低い伸びに留まっており減速傾向が顕著になっています

四半期ベースの米小売業売上高増減率推移

ダウ平均株価が過去最高値を更新するなど強い追い風が吹いており、第1四半期のGDPの実質成長率
(改定値、季節調整済、年率換算)は2.4%増と、前期の0.4%増から加速し、GDPの約7割を占める個人消費も
前期の1.8%増から3.4%増へと伸びるなど、消費者心理は堅調に推移しているので不可思議とも
言えるのですが、株価上昇に伴う資産効果をいち早く享受できるのは富裕層であり、
多くの中間所得層や低所得層が恩恵を受けるにはまだまだ時間を要すると考えなければなりません。
加えて、昨年末をもってブッシュ減税が終了しており、今年から実質増税となりますので、
追い風と向かい風が吹き乱れている市場環境と言えます。

日本においても百貨店の売上が好調で、中でも貴金属などの高額品の売上が伸びていると
新聞やメディアで報じていますが、所得の増加や景気回復を実感するにはまだほど遠いのと同じ状況と
言えるのではないでしょうか。
いずれにしても、米経済は緊縮策により一時的に減速感が強まると考えられますが、
FRB(連邦準備制度理事会)は現在の量的緩和を持続するとしていることから、
緩やかな回復基調は維持されると見られています。


さて前号の続きですが、縦割りの組織体制のままでオンライン販売を強化すると、
粗利益率が急減する可能性があることを記しましたが、オンライン販売の急伸に伴う、
もう一つの大きな課題が返品です。

優れた顧客サービスで知られ、業績が好調なラグジュアリーデパートメントストアのノードストロームは、
オムニチャネル戦略を推し進めることによりダイレクト販売(オンライン及びカタログ販売)を
急伸させており、2012年度のダイレクト販売部門の売上高は前年比42.4%増の13億ドル(推定)に達し、
総売上高に占める構成比は11.1%に及んでいます。
しかし、返品も急増しており、2006年度の総売上高の10.3%に相当する8億9,000万ドル
(返品に伴う損失額を含む)から2012年度には14.5%に相当する17億1,100万ドルにも及んでいます。
また、オンライン売上高の構成比が28.6%にも達しているラグジュアリーデパートメントストアの
サックス・フィフスアベニューに至っては、返品率は24%にも及んでおり、
4つ販売すると1つ返品されるという驚くべき状況です。

続きは次号にて




オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

ページトップへ
image