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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(19)米国小売業の最優先事項とは

14/3/3>>ジェイ 広山 氏

前号及び前々号でオンライン企業であるアマゾンやグーグル、あるいはショッピングセンター運営会社の
宅配事情について記しましたが、オムニチャネル戦略を推し進めオンライン売上も急伸している大手小売企業では、
アマゾンに対抗するためにストアを配送センターとして活用する企業が増えています。

従来、小売企業の業績は景気動向や価格、人気商品の有無などにかかっていました。
しかし、最近はこれに加え配送のスピードが競争力を左右する大きな要因になっています

そのため、配送効率が重要なカギと位置付けられ、全米にあるストアを活用し、配送時間の短縮や
配送費の削減に努めているのです。特に最近は、小売企業であっても配送費はもとより
返送費も無料とする企業が増えているため、配送コストの削減は喫緊の課題となっているのです。
既に、大手小売企業の約30%はストアをオンライン受注した商品の出荷拠点にしており、
26%はそうした体制の整備を進めていると見られています。

中でも、ウォルマートやメイシーズ、シアーズ、オフィスデポといった大手チェーンでは、
宅配最適化戦略を最優先事項と位置付け、需要や在庫状況に応じて商品をストアからストアへ、
配送センターからストアへ、そしてストアから顧客へと素早く商品を配送する体制をいち早く拡張しています。

Kマートを傘下にもつシアーズでは国内にある約2,000店舗を活用し、顧客の80%を翌日配送でカバーする
配送網を構築
しており、繁忙期である歳末商戦にはオンライン受注とストア在庫をコントロールする
専門要員を配置することで、注文処理能力を30%高め、
ピーク時には1日2万件の注文をさばくと見られます。
メイシーズでは国内715店のうち500店で、ストアから出荷する体制を整えました。

この背景には、オムニチャネル戦略推進に不可欠は在庫データの統合を進めたことと、宅配大手UPSや
フェデックスとの提携があります。

例えば、シアーズの場合、UPSが全注文の出荷状況を示すソフトウェアと注文追跡番号をシアーズに提供し、
受注した商品が配達先(顧客)の最寄りのシアーズのストアになければ、
そのソフトウェアによってシアーズのオンライン部門とストアの全在庫を調べ、
当該商品のあるストアもしくは倉庫(配送センター)から発送する体制を可能にしたのです。

ラグジュアリーデパートのサックスはフェデックスと提携することで、オンライン注文に全43店舗が対応し、
在庫と場所の関係に基いて最も効率的となるストアがフェデックスに配送注文を入れるシステムを構築し、
ストアで処理するオンライン注文比率が過去1年間に約8%から15%に増加しました。


アメリカ大手小売り業では配送費はもとより、返送費も無料とする企業が増えている。





オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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