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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(29)反撃に転じた米郵政公社(USPS)

15/1/5>>ジェイ 広山 氏

巨額の赤字にあえぐ米郵政公社(USPS)は近年さまざまな新戦略に取り組んでいますが、
年末商戦を含めオンライン販売業者の取扱量を増やすため、
大口顧客に対し大幅な値下げを実施しました。

ウォールストリートジャーナルによると、
USPSは年間5万個以上を発送する顧客の一部のプライオリティメール料金について、
58%の引き下げを政府の郵便規制委員会(PRC)に申請し認められました。

USPSPRCへの申請に際し
「従来の価格設定では高すぎて民間企業と競合できない」と説明し認可を得ましたが、
競合するユナイテッドパーセルサービス(UPS)フェデックスの宅配大手2社は
「ほぼ独占状態の地位を活用して、
 急成長するeコマース分野の取り扱いを不当に拡大しようとしている」

と反発しています。
特に、両社は今年7月にそれぞれの地上配送料金の実質的な値上げを発表したばかりで、
小売店からの軽量だがかさばる荷物を減らすため、
2015年からは重量だけではなく寸法による課金を始める他、
僻地への配送などに追加料金を請求する予定としているため、
危機感を一層強めています。

今回の値下げ発表を受けて、eコマース企業の中にはUSPSの利用を検討している、
あるいはUSPSの利用を既に決定した企業もでており、
配送戦略コンサルティングのシップウェア社(Shipware)のロブ・マルティネス社長は
「多くの荷主がUSPSのサービスに再び注目している」と語っており、
消費者に直接の利益はないものの、
eコマース企業が無料配送サービスを提供しやすくなる
と見ています。

また、USPSアマゾンと提携し、ニューヨークとロサンゼルスの都市部において、
一部商品の日曜配送サービスを2013年の年末商戦から行っていますが、
同サービスをダラス、ヒューストン、ニューオーリンズ、フェニックスにも拡大しています。
加えて、USPSはサンフランシスコ都市圏においてアマゾンフレッシュ(アマゾンの食料品配送サービス)の
宅配を60日間の期間限定で試験的に実施してきましたが、10月半ばで終了することから、
PRCに同サービスの期間延長と他の幾つかの都市圏において
食料品を配達する試験事業の実施許可を申請しました。
USPSでは、サンフランシスコの期間延長により年間1,000万ドル以上の増収が見込めるとしており、
より多くの都市で食料品の宅配サービスを請け負う姿勢を示しています。
PRCは公聴会を行った後に3人の委員が許可の是非を決定します。

尚、市場調査会社フォレスターリサーチによると、
2013年の米国内のオンライン販売業者の配送サービスの市場規模は2,630億ドルに及んでいます。

主なプライオリティメールの通常料金(米国内)
※プライオリティメールとは、専用の封筒、段ボール箱が無料で提供され、
70Lbs(約32㎏)まで詰め放題で(無理な詰め込みはNG)、
米国内のほとんどの場所へ2日以内に届けるサービス。
(料金は2014年10月31日現在)

左写真:大幅に値下げされる業者向けのプライオリティメール料金/右写真:アマゾンフレッシュの商品を宅配するUSPS配達員



オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、
日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、
講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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