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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(35)貨物の停滞解消策を模索する西海岸の港湾

15/7/6>>ジェイ 広山 氏

西海岸の主要港湾の労働者2万人を代表する労働組合である国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)と
海運会社などで作る太平洋海事協会(PMA)の間で起きた労使紛争によって、
これまでで最も長い9ヶ月にもわたるストライキが続き、貿易の停滞はもとより、農業や製造業、
小売業、輸送業など経済全般に連鎖反応を引き起こしていましたが、
オバマ政権の仲介により2月末にようやく新協約に合意し、ストライキが解除されました。

しかし、通常の状態に戻るには6ヶ月を要すると見られています。
そのため、一部のターミナルでは、コンテナの山から特定の1箱を取り出すまで
ドライバーが待たずに済むよう、トラックによる運び出しを予約制にしました。
しかし、荷主はできるだけ早く商品を受け取りたいと考える一方、
ドライバーは予約制だと港まで往復できる回数が減って収入が減るため、不満が燻っています。

そこで一部のターミナルでは、トラックが着くととにかく一番上のコンテナから運び出す
「フリーフロー(free-flow)」または「ピールオフ(peel-off)」と呼ばれる方法を取り入れています。
この方法は、特定のコンテナを取り出すために他のコンテナを動かす必要がなく、
最も速く貨物を港から運び出せます。
これまでも同じ荷主のコンテナが同じ船で大量に運ばれてきた場合は、
それらを一ヶ所にまとめて下ろし、小売店から来たトラックが上から順番に運び出しています。

また、ロサンゼルス港では、これをより中小の小売企業にも適用できる
カーゴマティック(Cargomatic)の携帯電話向けアプリケーションを使った
「ウーバー式」のフリーフローを試しています。
今のところ配送先は港から150マイル(240㎞)以内であることが条件となっていますが、
プログラムに参加した小売企業のコンテナは一ヶ所にまとめられ、
ドライバーは予約なしで港に行き、積まれたコンテナを上から順番に運び出します。
届け先はアプリでチェックし、支払いは自動的に行われ、
ドライバーの平均待ち時間は35分と通常の約半分で済むようになっています。

尚、西海岸の貨物取扱量は、国内海運市場の50%近く、
アジアからの輸入では70%を占めていますが、
今回のストライキの長期化により、東海岸など他地区の港湾はシェア拡大の好機ととらえ、
運賃や荷役作業費の値下げに踏み切ったところもあると報じられました。

Cargomatic紹介ビデオ
Cargomatic紹介ビデオ
https://youtu.be/X06q76Bo10A



オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、
日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、
講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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