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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(44)2015年の米国小売業売上高

16/4/4>>ジェイ 広山 氏

2015年第4四半期(10~12月)のGDP(実質国内総生産、季節調整済み)の改定値は、
世界経済の減速、株安、原油安、ドル高といった影響を受け、年率換算で1.0%増に留まるなど、
米経済成長の勢いに陰りつつあることを示しています。
しかし、GDPの3分の2を占める個人消費は着実な雇用増と賃金上昇、
低金利に支えられて前期より1.0ポイント減速しつつも、2.0%増と堅調さを保ち
今後も経済全体の成長を主導するとみられています。

しかし、商務省が発表した2015年の小売業総売上高(改訂値)
前年比1.4%増の4兆6,971億3,400万ドルで、
リーマンショック後のV字回復以降は4年連続で前年の伸びを下回りました。
これは総売上高の約20%を占める自動車ディーラー/関連用品店が7.0%増と好調と言えるものの、
前年までと比較すると伸びが鈍化していることに加え、約10%を占めるガソリンスタンドが
原油価格の急落によって19.4%減と大幅に落ち込んだことによるものです。
但し、自動車ディーラー/関連用品店が小売業の伸びを下支えしていることに変わりはなく、
自動車ディーラー/関連用品店を除く売上高伸び率は0.2%減と、
2009年以来7年振りのマイナス成長となりました。
また、自動車ディーラー/関連用品店、ガソリンスタンド及び家庭用燃料ディーラーを除く
売上高は3.6%増を順調です。

業種別の前年比増減率では、オンライン/カタログ販売が11.3%増と依然急伸が続いています。

各種商品小売業(GMS)は0.8%増と底堅かったと言えます。
しかし、ホールセールクラブ/スーパーセンターが1.3%増と堅調で、
ダラーストアが含まれるその他の各種商品小売業が5.0%増と好調であった一方、
店舗数の減少が続いているディスカウントストアが9年連続の前年割れとなる1.3%減となった他、
デパートメンストアも4年連続の前年割れとなる3.4%減に陥りました。

アパレル/アクセサリーストアも2.1%増と堅調です。
しかし、メンズアパレルが1.0%増、ファミリーアパレルが4.1%増を確保した一方、
レディースアパレルが1.0%減と7年振りにマイナス成長に陥りました。
靴店、貴金属店はそれぞれ0.5%増、0.1%増と辛うじてプラス成長を維持するに留まっています。

建築資材/園芸用品店は4.2%増と好調と言えますが、
不動産市場に陰り見えつつあることから伸びが減速しています。
家具店は6.5%増、家庭用品店も4.6%増といずれも好調で伸びが加速しました。
家電店は2.5%減で7年振りにマイナス成長となりました。

昨年マイナス成長に陥ったスポーツ用品店は6.1%増と急回復しました。
玩具/ホビー用品ストア、中古品店はそれぞれ7.8%増、4.8%増と好調です。

食料品店(2.5%増)は底堅く、医薬品店/ドラッグストア(4.6%増)、飲食店(8.1%増)は好調です。
IT技術の急速な進化、普及の影響を受け7年連続で
マイナス成長に陥っていた書店は2.6%増とプラス成長に転じました。
一方、事務用品/文房具店は6.9%減で8年連続のマイナス成長に陥っています。

尚、全米小売業協会(NRF)では2016年の小売業総売上高の伸び率予測を
2015年の伸び率を大きく上回る3.1%増と発表
しました。
また、オンライン/カタログ販売については6.0%~9.0%増と予測しています。

2015年の業種別売上高前年比増減率



オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、
日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、
講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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