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プロの視点

若い担当者が語る物流課題 その4

16/11/28>>芝田 稔子 氏

湯浅コンサルティング コンサル 内田明美子が代打で執筆しています。
よろしくお願いします。

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筆者が担当するJILS(日本ロジスティクスシステム協会)講座受講生のレポートから、ドライバー不足への対策にかかわる印象的な言葉をご紹介する連載vol.4、最終回です。

―――実際に現場で行われていることを数字で把握すること、これを客観的に評価できるということが必要です。

現場の実態を数字で把握する。このように言うと、ストップウォッチを持って調査をかけ、精度の高い数字を計測しなければならないというイメージを持つ方が多いようです。

私は今の物流現場にはすでに数字がたくさん眠っているので、これを掘り起こして整理してあげるだけで、かなりの数値管理ができると思っています。

現場といっても倉庫と輸配送では様相が異なりますが、イメージしやすいところで倉庫から考えてみましょう。

倉庫を数字でとらえるうえで重要なのは、倉庫への投入(input)と産出(output)の量を、対比できるようにとらえるということです。inputは労働力、スペース、作業を支援するマテハンや情報システム等の投入要素別に、労働力の量は人時、スペースはm2単位で実測できます。

機械やシステムの投入量は実測が難しければ、月間の償却と維持費が何万円というとらえ方でよいでしょう。

やや難しいのが、outputの量のとらえ方です。

倉庫を訪問して、この倉庫の規模はどのくらいですか?と尋ねたときに「〇〇m2です」「作業者は**人です」というinput量だけが回答され、output量には言及されないことが多くあります。

1日の出荷金額はどのくらい?出荷件数、cs数は?バラで出荷されるのはどのくらい?と尋ねていくと「調べてみます」となります。

これらの数字は確かに、調べれば倉庫のどこかに必ずあるはずの数字なのです。そして、これらoutputの数字をinputと対比させて割り算したものが「生産性」です。

倉庫の生産性は「投入費用÷出荷金額(売上高物流コスト比率)」、「総投入人時/出荷件数(1処理当たり作業時間)」のように、input÷outputの式で産出されます。「1人時当たり出荷件数」のように分子と分母を逆にする(output ÷input)こともあります。

日本の物流センターの1人時当たり出荷件数は、「平均で約20件/人時(mh)」という調査データがあります。

月刊誌のLOGIBIZのアンケートによる数字で、平均は20件/mhだがトップ20%だけをとると60件/(mh)、のこり80%の平均は12件/mhで、約5倍の格差があるという結果でした。

ここでの人時は管理者も含む倉庫で働く人の総人時であり、非常にざっくりした値ではありますが、まずはこのレベルで実態を捉えることが第一歩です。そのうえで、人時を作業別にとる、outputの方も「入庫件数」「cs出荷件数、バラ出荷件数」のように区分けをすれば、より精度の高い数値を捉えられることになります。

重要なのはこの数字を「客観的に評価する」ということですが、ここで役に立つのが「標準作業時間時間」という考えかたです。

その作業をもっとも無駄なく行ったらどのくらいの時間でできるのか。この値は実作業を観察し、正味時間だけを測って1処理当たり時間に直すことで、およそ、推察できます。

輸送についても、とらえるべき数字は「時間」です。「ドライバー不足」の認識は共通のものになってきていますが、一方で、現場ではドライバーの「時間」が盛大に無駄遣いそれているという実態があります。

倉庫前順番待ちの待機、時間指定に合わせるための待機、積み込みの荷物が準備されるまでの待機、降ろす場所がないための待機等々。最近の国交省の調査では、待機のある運行(全体の46%が該当)でその平均待機時間は1回あたり平均1時間45分でした。

あなたの倉庫では、あなたの会社の納品先では、貴重なドライバーをどのくらい待たせているのでしょうか。生データは必ずあります。必要なのは関心を持って、データを掘り起こすことです。



芝田 稔子 氏

株式会社 湯浅コンサルティング コンサルタント 芝田 稔子 氏
平成4年 早稲田大学人間科学部卒業。日通総合研究所に入社後、調査研究業務や物流ABC導入支援、管理技法の開発等に従事。平成16年に日通総合研究所を退職し現在に至る。著書に「ムダをなくして利益を生み出す在庫管理(かんき出版)」、「図解でわかる物流とロジスティクス(アニモ出版 共著)」など多数。日本ロジスティクスシステム協会講師(物流管理士講座、現場改善士講座、国際物流管理士講座)。日本物流学会正会員。

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