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プロの視点

アメリカ流通業の最新動向(58)
積載ミス削減のために新たなプログラムを導入するUPSと
ストアに受け取りに来たら割引の提供を始めたウォルマート

17/6/13>>ジェイ 広山 氏

世界最大の運送会社であるUPS(United Parcel Service, Inc.)が、積載ミスを削減するためにビーコンを活用した「プリロード・スマートスキャン(Preload Smart Scan)プログラム」を導入すると発表しました。

同プログラムは、荷物を積み込む担当者が携帯しているスキャナーと車両に搭載されたブルートゥース対応ビーコンが通信するものです。スキャナーで荷物に貼られたラベルを読み取ると、荷物がどの配送車に積まなければいけないかがプログラミングされており、荷物が積まれるとビーコンから配送車の信号と車内に置かれた荷物の位置がスキャナーに返信されます。そのため、荷物が間違った配送車に積まれた時には担当者にミスが知らせれるので直ぐに検知できるというプログラムです。

同社では年内中に米国内の28%にあたる301の配送センターと47%の配送車に搭載し、順次全米及び世界に拡大するとしています。
加えて、同社ではZipline(飛行ロボット開発企業)及びGavi(ワクチンと予防接種のための世界同盟)とパートナーシップを組みアフリカのルワンダにおいて小型無人飛行ロボットによる救急医薬品の配送を実用化しました。

因みに、同社の2016年度の営業収益高は前年比4.4%増の609億600万ドルで過去最高となりました。しかし、退職年金に関連する費用16億7,000万ドルを計上したことから、営業利益高は28.7%減の54億6,700万ドル、純利益高も29.2%減の34億3,100万ドルと急減し営業利益率は9.0%、純利益率は5.6%となりました。

一方、配送個数は4.6%増の48億6,800万個と過去最高を更新しており、このうち63%にあたる30億6,700万個が個人向けで(B to C)、こちらも過去最高となっています。また、昨年の年末商戦期間中(11月24日から12月31日)の配送個数は前年比16.0%増の7億1,200万個に達したとしています。

一方、アマゾンの攻勢に晒されている世界最大の小売企業のウォルマートはオンライン販売の強化を進めると同時に、配送費の削減にも乗り出しました。
同社のオンライン販売にはオンライン注文・自宅(もしくは指定先)受け取りと、オンライン注文・ストア受け取りがありますが(一部ではカーブサイド・ピックアップも導入しています)、このうちストアでの受け取りを選択した顧客には割引きを提供するサービスを始めたのです。

「ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント(Walmart Pickup Discount)」と名付けられた同サービスは4月19日からオンライン専売商品1万品目でスタートし、6月末までに100万品目に拡大する予定で、対象となる商品は主に重量があり、体積や容量の大きな商品で、還元する値引き率は3~5%となっています。

日本でも配送担当者不足が大きな問題になっていますが、このサービスはラスト・ワンマイルと呼ばれる配送のネックとなる部分を、顧客に受け取りに来ていただき割引を提供することで賄おうとしているのです。

尚、同社ではアマゾン・プライム会員サービスに対抗するために、今年2月から35ドル以上の買物であれば年会費を払う必要なく2日間で配送するサービス「無料2日間配送(Free 2-Day Shipping)」を導入しています。また、同社の2016年度のオンライン売上高は144億2,980万ドル(約1兆6,000億円、$1=\110換算)と推定されます。



UPSの小型無人飛行ロボットによる
配送実用化
参照動画:https://youtu.be/1WiE5Oz3_og


ウォルマートのピックアップ
ディスカウント
参照動画:https://youtu.be/x3uvzCCkaME




オフィス J.K. 代表 ジェイ 広山 氏
ジェイ 広山 氏

1958年東京生まれ。卸売会社の営業及び企画開発部門に勤務後、渡米。 リサーチ会社勤務及びフリーの視察旅行コーディネーターを経て、1987年に友人とともにオフィスJ.K.を設立し代表を務める。日本及び米国の流通業界の生成、発展、展開に関する幅広い知識と全米の商業施設開発(都市開発を含む)に関する豊富な現地調査の経験を有しており、日本百貨店協会、日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会の米国流通視察コーディネーターを長年務めるなど、
日米両国において多くの団体/企業のコーディネーション、コンサルティング業務、
講演会を数多く手掛け、その独自の視点と分析は高い評価を得ている。

・日本百貨店協会 スペシャルアドバイザー
 (季刊発行JDSA USAリテールレポート執筆・編集、2003年~
・日本ショッピングセンター協会 SCアカデミー講師(2007年~)
・国際ショッピングセンター協会 会員
・株式会社丹青社 アドバイザー
・JRグループ 米国流通業界レポート
 (年次レポート:2002~2006年、季刊レポート:2007年10月~)

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