物流システムの有効活用
物流改革が脚光を浴びてから10年以上は経過するため、
簡単でしかも効果が大きい物流改善はまずは無いと言ってよいだろう。
今後は、
1、小さな改善の積み重ね
2、難易度の高い改善
3、大きな投資が必要な改善
を検討していく必要がある。

1は1日当りで500円削減できる改善策があった場合、
1年を200日で換算とすると年間10万円のコストダウンができる。
この様な改善策を何十、何百と積み重ねる考え方である。
2の例としては、「物流コストに見合わない受注があった場合、
お客様に出荷単位(or最低出荷金額)を交渉する」、
「売上が少なく在庫が過剰になりがちな商品傾向(例えば、色・サイズ)があれば、
製造単価が大幅に増加しても過剰在庫金額を減少させる方を優先させる」、
「物流センターの統廃合」、「共同配送の推進」がそれにあたる。
お客様への交渉や、営業利益の減少は社内でも色々な考え方もあり、一筋縄にはいかない。
ただ、実現すればその効果は大きい。
3は、「自社倉庫の建設」、「コンピュータシステムの投資」が挙げられる。
1、2は駄目であればもとに戻せば良いという安易な考えもできるが、
大きな投資をして駄目であれば返品するという考えは通用しない。
よって、システムを投資する前に、「投資しただけの効果が出るか、効果予測は本当に正しいか、
実現性はどのくらいあるのか」の検証が必要になる。
失敗しない方法は、何でもコスト換算すれば良い。
在庫改革でのシステム投資であれば、そのシステムを具体的にどの様に活用して、
在庫金額がどのくらい減少し、保管費がどの程度下がるのかを算出する。
また、在庫金額が下がる根拠を1アイテム毎に過剰在庫状況(例えば、在庫保有日数)を算出し、
全アイテムの在庫目標を出すことができ、1アイテム毎の発注方法を検証すればシステム投資の
効果予測が検証できる。
作業効率を向上するシステム投資であれば、
現状の作業時間を調査し、システムを活用してどの部分が改善できるのかを検証する。
システムによって違うとは思うが、サンプリングテストでやりかたを変える前と
疑似的に変えた後の比較をすれば効果予測の検証もできる。
例えば、一部の得意先を摘み取りピッキング方式から
集約ピッキング方式(集約ピッキング+納品先毎の種まき)に変える検討であれば、
ワープロで帳票を作ってみて、作業時間の計測をすれば良い。
仮に50万円の費用が発生した場合でも、
5年リースで1カ月約1万円とすれば、1日500円の経費が発生する。
よって、1日500円以上の人件費削減効果があればシステムを導入したら良い計算になる。
この様に、システムを活用すれば、大きな効果が出る可能性は物流現場では一杯あると思う。
皆様もよく検討して欲しい。
昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学卒業。平成15年に(有)SANTA物流コンサルティングを設立。主な仕事は、物流コンサルティング、執筆、講演、研修。主な書籍「3ヶ月で効果が見え始める物流改善【現状把握編】(プロスパー企画¥1,890)」。物流技術管理士、日本物流学界正会員、物流技術管理士会理事。中小企業大学校講師、ロジスティクスアライアンス研究委員の実績もある。Dr.SANTAの愛称で知られている。










