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プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.13 輸送量の妥当性を検証する:2009/7/1配信
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「OD表」による「物流経路」の妥当性の検証については前回お話しました。
そこで「妥当」という判断は、「本来あるべき経路にしか数字が入っていない」という場合に下されます。
倉庫から工場に物が移動しているという逆流の経路や拠点間転送などは「本来あるべき経路」ではありませんので、
ムダな経路として排除の対象になります。
つまり、「本来あるべき経路」の設定が、経路の是非の判断を下す基準となります。

「本来あるべき経路」ではない

それでは、あるべき経路に入っている数字はすべて妥当なのでしょうか?
もちろん、その経路を移動していること自体は妥当ですが、
そこで移動されている「量」の妥当性については「OD表」の数字だけを見てもわかりません。
妥当な経路はすべて物流拠点か顧客に向かっています。
このうち拠点に向かっているのは、多くの場合、拠点在庫の補充のためです。
そこで、拠点からの出荷に必要なだけの移動が行われていればいいのですが、
出荷と無縁の在庫補充が行われていれば、それらの妥当性は疑われます。

本来なら「100」あればいいのに、営業が安心のために「200」の補充を掛けたり、
工場側が押し込んできたりということになると、そのために行われる移動の「量」は妥当でしょうかということです。
つまり、工場から物流拠点に向かうマス目に入っている「200」という数字は、経路としては妥当ですが、
その量の妥当性は検証が必要だということになります。

O-D表

ここで思い出してください。
この連載で、「出荷動向と無縁の在庫保持」はムダだと何度も繰り返してきました。
物流の立場からすれば、物流拠点の在庫は出荷動向に合わせて持てばよいということです。
そのために、物流拠点の在庫補充は出荷動向に合わせて行うべきだと主張してきました。
これが物流のムダを省く原点といってよいと思います。

つまり、ムダな物流経路をなくし、必要な物流経路でもそこを移動する在庫の量を必要最小限にすることで、
「OD表」におけるムダを徹底して省いていくという考え方が求められるのです。

もちろん、「OD表」において、運び方のムダをなくすために積載率を向上させたり、
輸送費を削減するために共同化を模索したりすることも重要な取り組みです。モーダルシフトも一考に価します。
ただ、それ以上に重要なのが、不要不急の在庫移動はしないということです。

そのためにどうするかは次回以降で検討します。

「物流は突き詰めれば在庫管理に至る」と言われますが、その「在庫管理」の世界に入っていきたいと思います。


湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

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