物流コストを削減したい企業様のためのお役立ちサイト 物流コスト削減.COM

  • HOME
  • 初めてご利用の方へ
  • メールレター配信申込
  • 記事投稿
  • サイトマップ
サイト内検索

お問い合わせフォームはコチラ

プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.17 在庫を二つに分けて管理する :2009/11/4配信
-----------------------------------------------------------------------------------

前回、工場内に倉庫が7ヵ所に分散配置されていて、出荷のトラックはこれらの倉庫を巡回して積み込んで行くため
多くの時間がかかっているが、これを短時間で済ませるにはどうすればよいかという質問をしました。

この答は簡単です。素直に考えれば答は自然に出てきます。
7ヶ所の倉庫を巡回するから時間がかかるわけですから、
1~2ヶ所の倉庫で積み込みがすべて終わるという形にすればよいわけです。
答えは、「1ヶ所の倉庫にすべての製品を集めて置く」ということになります。

こうすれば、出荷に要する時間は大幅に短縮されます。
1ヶ所で製品が入り切らなければ、近隣の2ヶ所の倉庫を使うことになりますが、要するに「出荷に必要な在庫」と
「それ以外の在庫」に分けてしまうということです。
このように、在庫を二つに分けるやり方は「ダブル・トランザクション・システム(DTS)」などと呼ばれます。

DTSの考え方 例1

在庫を二つに分けるということは、倉庫内のエリアを二つに分けるということでもあります。
出荷に必要な少数の在庫を置いた「出荷エリア」と補充用の在庫を置いた「補充エリア」の二つです。

たとえば物流拠点に在庫が1ヵ月分の出荷に相当する量があった場合、
そのままなら、倉庫の中をすべて回ってピッキングをすることが必要になります。
当然、作業動線が長くなり無駄な動きが発生します。

それでは、1ヵ月分の在庫の中を動き回らないためにはどうしたらよいでしょうか?
当然、狭いエリアでピッキングが完結するような作業現場を作ればよいのです。
倉庫の中をたとえば1週間分の在庫で作った「出荷エリア」と残りの3週間分の在庫で作られる「補充エリア」の二つに分け、
出荷は出荷エリアだけで行うというやり方です。
こうすれば、1週間分の在庫の中で作業ができるわけです。

DTSの考え方 例2

ここでなぜ、このようなDTSをしつこく説明しているかというと、
「在庫管理において、1週間分という在庫日数を決めて、その範囲で在庫補充をすればよいと言うが、
現実にはすでに1か月分もの在庫がある。1週間分にするといっても実際問題として難しい」
という声に応えるためです。

とにかく1週間分の在庫で動かすことで、その効果を実感することが大事です。
1週間分の在庫で十分行けることを証明するのです。
在庫日数を決めたら、それが実務的に有効な数値なのだということをDTSによって示すことが現実対応として、
また過渡的な対応として有効だということです。


湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

image