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プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.20 「実数」では在庫管理はできない :2010/2/2配信
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前回、発注方式としては「定期不定量発注」と「不定期不定量発注」の二つしか現実的でないと言いました。
需要が変動する中で「定量」という概念は適正在庫維持という点で馴染まないからです。
ただ、実際には、「定量」という概念を使っている発注方式が現実にあります。
それはどんな方式でしょうか?

答を言いますと、「2ビン法」と言われるものです。実際に使われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、簡単に言うと、2ケース分の商品を在庫として置いておき、
1ケースを使い終わった段階で1ケースを発注するというものです。

「2ビン法」の例

1ケースを使い終わるのがいつかはわかりませんので、まさに不定期定量発注方式といえます。
原理は簡単で、使い勝手がいいように見えます。ただ、この方式は大きな問題を内包しています。

いま「1ケースを使い終わるのがいつかはわからない」と言いましたが、問題点はここにあります。
たとえば、1ケースに100個の商品が入っていたとします。
1回の出荷が10個だとしますと、1ケースで10回の出荷に対応できます。
ところが、1回の出荷が平均1個だとすると、1ケースがなくなるまでに100回の出荷が必要になります。
年間何回の出荷があるかによって1ケースのなくなるまでの期間が異なります。

ここが問題なのです。保持している数量が実際の出荷量と無縁の形で決まらざるをえないため、
過小な在庫になったり過大な在庫になったりしてしまうのです。
出荷動向に合わせて適正な在庫量を維持するというわけにはいきません。

実は、この2ビン法に限らず、出荷動向と無縁な形の在庫管理というのは、日常的に多く見られます。
どんな在庫管理かというと、発注点や発注数量を「実数」で決めているというやり方です。
たとえば、「在庫が100個以下になったら、1000個発注する」という類の
「実数」をベースにした方式を採用している会社が少なからずあります。
もちろん、発注点や発注量を出荷動向に合わせて常時メンテナンスしていれば、問題ありませんが、
多くの会社ではそのメンテナンスはできていません。
すべての在庫についてメンテナンスするなんてできるわけがないという声が支配的です。

そうなると、発注点の100個や発注量の1000個という量は、
出荷動向と無縁の現実的に何の意味もない数字になってしまいます。
それでは、適正な在庫など維持できません。

出荷動向と無縁な形での在庫管理では、適正な在庫は維持できない。

そこで、求められるのは、発注点の量や発注量を出荷動向に自動的に同期化させるという発注方式です。
それが「日数」をベースにした在庫管理なのです。


湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

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