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プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.40 そもそも効率指標とは何か? :2011/10/3配信
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これまでの物流コスト削減のための取り組みの特徴は、
「いまそこで行われている物流活動」をいかに効率的に行うかという点に主眼がありました。
しかし、この取り組みは、ひとつ間違えると、理解しがたい結果をもたらします。

たとえば、ある会社で、工場から物流拠点へのトラック輸送を効率化するために、
大型トラックを常に満載にするという取り組みを行ってきました。
物流拠点から要求があったものだけでは満載にならないというときには、
「そのうちこれも必要になるだろう」という製品を上積みして満載にしていました。
それで効率的な輸送だと思っていたのです。

さて、この取り組みは本当に効率的なのでしょうか?


積載率が効率指標だとすれば、たしかに効率的だといえます。
ただ、この効率化は輸送コストには何の影響も与えません。
つまり、効率化したとしても、輸送コスト削減にはつながらないのです。

なぜなら、そのトラックはすでに契約済みで、運賃も決まっています。
満載の10トンで運ぼうが8トンで運ぼうが、あるいは1トンで運ぼうが、支払い運賃は一緒です。


「輸送コスト削減」にはならない


そこで、なぜ積載率を上げるのでしょうか?
運賃の下がらない輸送の効率化とはどんな意味を持つのでしょうか?

ここで言いたいのは「そもそも効率化とは何でしょうか」ということです。

この例で明らかなように、積載率という効率指標は、コスト削減とはつながっていません。
それでは、コスト削減に連動しない効率指標とは一体どんな意味を持つのでしょうか?


少しだけ答えをいいますと、「積載率」という指標は荷主企業には適さない指標です。
少なくとも、コスト削減という意味では荷主企業にとっては無縁の指標です。

この指標が意味を持つのは、トラック業者です。それも、いわゆる積合せ業者だけです。
トラック1台を貸切るという商売では、積載率は関係ありません。
運賃収入は積載率とは関係なく決まっているからです。
「積み込めば積み込むほど収入が増える」というトラック業者にとって重要な効率指標が積載率なのです。


効率をはかる指標は別にある


もちろん、だからといって、積載率が低くてもいいということにはなりません。
積載率が低いということは、トラックの有効活用ができていないということです。
環境にとっても決して好ましいことではありません。
ただ、この場合、それは効率指標ではありません。

さて、積載率を例に効率指標とは何かという問題提起をしました。
他の指標についても同じことが言えます。
次回以降で検討したいと思います。






湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

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