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プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.44 物流サービス問題の根源 :2012/2/6配信
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物流サービスについて「製・配・販連携協議会」の動きを中心に述べてきましたが、物流サービス問題の
根源ともいうべき点ついて最後に触れたいと思います。

わが国では、多頻度小口、短納期、時間指定など納品に関する難しい要求が一般化しています。
この要求に応えるには、供給する側でコスト負荷の大きい作業が必要となることは周知のとおりです。
コスト増になるため、本来、そんなサービスは提供したくないはずですが、顧客からの要求ですので、
行わざるを得ないというのが実態です。

このような買い手側の優越的地位の乱用に近いことがなぜ起きるのでしょうか?
その原因は価格の仕切りにあります。わが国の場合、価格は、簡単に言うと「届けていくら」という形で
設定されています。つまり、商品そのものの価格に届けるための運賃が含まれているというのが、一般的な商慣行です。
これが物流サービス問題の根源です。


一般的な商慣習は商品の価格に運賃が含まれている


たとえば、価格が売り手側の物流センター渡しで設定されているとしたら、そのセンターから
買う側のお店や倉庫までの運賃は買う側の負担になります。
もし、買う側が自分の運賃負担で商品を買うとしたら、どうするでしょうか?

言うまでもなく、毎日小口で注文するなどということはしないはずです。運賃負担が大きくなってしまうからです。
運賃負担を最小にするように、一定のロットで買うでしょう。また、どれくらいの量を買えばよいか、
販売動向などを見ながら妥当な量を模索するはずです。これが、本来のビジネスです。

ところが、現行のように、どんな届け方をさせようが購入価格は変わらないということであれば、
買う側は何も考えません。運賃を負担するという痛みを感じないからです。痛みを感じなければ、
自分の都合を売り手に押し付けてきます。
また、どれくらいの量が妥当かなども考えません。それこそ余ったら返品すればいいと適当な量を
購入することになります。

この買う側が痛みを感じない取引条件がそもそもおかしいのです。


現行は買う側が運賃負担という痛みを感じない、不公平な取引条件


「製・配・販連携協議会」における物流サービスの見直しはもちろん価値あるものだと思いますが、
もっと突っ込んで、この価格の仕切りの見直しこそが本来的には必要なことなのです
長く続いた商慣行であるため、そう簡単に変えられるとは思いませんが、大きな変革期にあるいま、
正しいビジネスの姿への回帰こそが求められているのではないでしょうか。

厚い壁を承知の上での私のかすかな期待です。





湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

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