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プレミアムコンテンツ 湯浅和夫の「物流の常識・非常識」

No.47 SCMの本質は機能の再編にある :2012/5/7配信
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今年あたりまたSCMブームが起きるかもしれないと前回書きました。⇒ 「SCMブームの再来か」

前に紹介した製・配・販連携にかかわる取り組みは、まさにSCMの一環ですが、
それは主に取引条件の見直しに関わることで、SCMの一部に過ぎません。
SCMについての話は今回で終わりにしますので、最後にSCMの本質にふれてみましょう。結構こわい話になります。


SCMは、こんな表現であらわすこともできます。
それは、サプライチェーンにかかわる企業群が「あたかも一つの企業のように動く」ということです。
サプライチェーンを統合的にマネジメントするのがSCMですから、まさにサプライチェーンを
一つの企業としてみなすことになります。

サプライチェーンを一つの企業として見たら、どうなるでしょうか。
たとえば、メーカー、問屋、小売という企業が存在した場合、それぞれ独立した企業なら、
そこに発注という行為が発生
します。また、それぞれが在庫を持ったりもします。
しかし、一企業だったら、そんな行為は起こりません。企業の中で発注が起こったり、
多段階で在庫が持たれるなんて無駄なことはしないはずです。

一企業なら、小売店頭の販売情報が工場に伝えられ、工場はそれをベースに生産をします。
できあがった在庫は、どこか一ヵ所に置かれます。
これが、サプライチェーンを一つの企業に見立てた場合の姿です。

何が言いたいかおわかりだと思います。
つまり、SCMにおいては小売店頭の情報がメーカーに一気通貫で伝わるため、小売と問屋、
問屋とメーカー間の受発注という行為は不要
になるのです。
また、在庫もメーカーが持てばいいのです。中小メーカーを問屋が束ねる場合は、
その問屋がサプライチェーンの在庫責任を持てばいいのです。
同じ行為が多段階で繰り返されることはありません。

その結果として起こるのは、サプライチェーンにおける「機能再編」です。
不要な機能が排除されるため、新たな機能分担が必要になります。
サプライチェーンの存在価値は、小売店頭の商品在庫を維持し続けることにあります。それだけです。
そのために、多段階の発注が繰り返されたり、複数個所に在庫を持つなど必要ないのです。


サプライチェーンの存在意義は、小売店頭の商品在庫を維持し続ける事


「発注はしない、在庫はどこか1ヵ所に集約して持つ」ということになれば、
サプライチェーンは様変わりします。

どう変わるかについては述べませんが、そこで起こるのは、新たな機能再編です。
既存のサプライチェーンが、この機能再編を受け入れるかどうかにSCMの進展はかかっているのです。
正直言って、大きな壁が存在するといえます。





湯浅和夫氏のプロフィール

株式会社 湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1946年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、(株)日通総合研究所に入社。同社常務取締役を経て、2004年4月(株)湯浅コンサルティングを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。(財)食品流通構造改善促進機構「電子商取引導入推進検討委員会」、国土交通省「自動車税制研究会」、(社)日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士専門委員会」など歴任。著書多数。

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